なぜ同じアプローチでも変化がある人とない人がいるのか?

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2026年6月28日に定例勉強会を開催しました。

先月シェアした静脈・リンパ循環の改善が、実際に1年近く足の炎症症状が引かない患者さんに試したところ、経過良好になったと参加者の方から嬉しい報告がありました🎵
やはり足の疾患・問題であっても全身の循環状況を整えることが大事ですね。

その循環の改善の為に、施術や運動などをするのですが、そこで一つ問いがあります。
それは
【同じアプローチでも変化のある人とない人がいるのか?】
です。

世の中には様々な手法が存在しますが、どれも一定の効果はあると思います。
逆にいうと、唯一無二・絶対的な手法も存在しないと個人的には感じています。
なぜなら、
施術・運動などのインプットに対して反応をする脳の機能・処理は人それぞれかなり違う
からです。

インプットの要素を挙げると、視覚・前庭覚・体性感覚・記憶などです。
ストレッチや施術などの多くは体性感覚入力をしていますが、他にも重要な要素があるんですね。
これらは教科書的に調べればどんなものかはすぐわかりますが、その影響が臨床でどれだけあるか?という実感がない方も多いのではないでしょうか?


私の判断材料の一つとして挙げるならば下記のようなものがあります。
 例:指標=SLR時の角度や痛み・抵抗感
   感覚入力=眼球の上下左右の追従運動
 感覚入力の前後で、指標(今回でいえばSLR)に変化が出る患者さんに出会うことがあります。
 ※効果を保証するものでは全くありません。詳しくは下記をご覧ください。

手法を学ぶことも重要ですが、相手に有効なインプットを探すことを考えたほうが意味がある場合が多いので、この記事では今回の勉強会の内容の一部をシェアしていきたいと思います。

姿勢は何によって規定されるのか?

姿勢というものは、「筋肉や関節の硬さ・長さ」だけによって決まるものではありません。
それは、脳(中枢神経系)が環境に対して導き出した「その時点での最適解」です。
結果・回答である姿勢を修正しても、反応が乏しいケースがありえます。

脳の予測モデルと環境適応

脳は常に、視覚、前庭感覚(平衡感覚)、体性感覚(固有受容器)などの多様なモダリティ(感覚情報)を入力し、重力環境下で最も「安全かつエネルギー効率が良い」あるいは「脅威から身を守れる」と判断した姿勢を構築します。

「最適化」の正体

筋肉が強くても、可動性が高くても姿勢が崩れるのは、脳が「その方が環境(生活習慣やストレス、過去の痛み体験など)に適応している」と判断しているからです。

多様なモダリティ(感覚情報)

  • 感覚入力: 目から入る情報、足裏からの接地感、関節の動きなど。
  • 予測と経験: 「ここは危険な場所だ」「この動作は痛い」という過去の経験に基づく予測。
  • 中枢の評価: 上記を統合し、脳が「この姿勢をとることが生存に有利」と決定する。

これらの処理が大脳皮質だけで行われているのではないという点が重要です。
つまり意識できない部分での制御も非常に多いということです。

ではどうしたら変化するのか?

脳の最適化を書き換えるためには、「物理的な強さ(過負荷)」ではなく「感覚の質と頻度」が鍵となります。

脳は、予測と結果の間に生じる「誤差」を検知したときに学習(再最適化)しやすくなります。

  • 物理的刺激と再最適化の非相関: 強いマッサージや激しいストレッチは、脳にとって「外的なノイズ」や「防御すべき脅威」と認識され、逆に筋肉を硬くする(防衛反応)可能性があります。「刺激の大きさ」と「脳の学習」は比例しません。
  • 「小さな刺激」の重要性: 脳が脅威を感じず、かつ「今の体の状態は理想と違う」という新しい情報を与える程度の低強度の刺激を頻回に与えることで、脳は「あ、こっちの姿勢の方が楽で効率的だ」と気づき始めます。

姿勢を変えるプロセスは「筋肉や関節を改善する作業」ではなく、
「脳に対して新しい身体環境のデータを書き込む作業」とも言い換えられます。

まとめ

  • 姿勢とは: インプットに対するその人の脳の予測・解釈による生存のための最適解。
    つまりインプットが変われば、姿勢は変わりうるということ
  • 変化の方法: 脅威を感じさせない程度の「微細な刺激」を「頻回」に与え、脳の予測モデルと現実のギャップ(誤差)を丁寧に修正していくこと。

痛みを抱える方の場合に重要な要素は下記の二つです。
①「その姿勢・緊張が、脳にとってどんな防衛の必要性があって生じているのか」考える。
②安心感を与えながら視覚・前庭覚などの刺激を通して「別の選択肢がある」ことを提案する。

臨床で感覚入力前後の変化を比較してみると思いがけない変化を感じるかもしれませんね。
冒頭に挙げた眼球運動でのSLRの変化をみるのは一つの手段です。
指標・感覚入力ともにその人によって変えています。

こうした視点をその人の持っている可能性の偉大さに驚かされることがあります。
足部への数秒の刺激一つで、その場で階段昇降のスムーズさもかなりかわることがあります

このように「個別の最適解を探すプロセス」こそが臨床の面白いところであり、慣れるまでは試行錯誤も必要です。来月の定例勉強会でもこうした臨床応用の具体的な方法を体感を交えてお伝えしていく予定です。
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ご覧いただきありがとうございました!

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