等級ひとつで、5年間で約450万円の差。支援者が知っておきたい障害年金

社会
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「この方、生活は大丈夫だろうか」

面談やリハビリの場で、そう感じた経験はありませんか。


障害年金は、その不安に答えられる数少ない制度のひとつです。


たとえば60歳で受給が決まった場合、2級と3級では年間およそ91万円、5年間で約457万円の差が出ます。


この差は当時者の方が若ければ若いほど大きな差となってきます。

2級と3級は、何がどう違うの


障害年金には2つの仕組みがあります。

  • 障害基礎年金:初診日に国民年金に加入していた人などが対象で、等級は1級・2級のみ

  • 障害厚生年金:初診日に会社員や公務員だった人が対象で、等級は1〜3級

つまり3級があるのは障害厚生年金だけです


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2級と3級の違いは、次のように整理できます。


  • 2級:障害基礎年金 + 報酬比例部分(障害厚生年金)

  • 3級:報酬比例部分のみ(最低保障額あり)

報酬比例部分はどちらの等級でも同じ計算です。


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したがって、2級と3級の差は障害基礎年金の分だと考えると分かりやすくなります。


60歳のケースで、金額を比べてみる

令和8年度の金額で見てみます。


  • 障害基礎年金2級:年847,300円

  • 年金生活者支援給付金(2級):月5,620円、年約6.7万円(所得要件あり)

  • 合計すると、年約91万円の差

2級で、65歳未満の配偶者がいる場合は、さらに配偶者加給年金(年243,800円)が加わることもあります。


年91万円を60歳から65歳までの5年間で計算すると、約457万円です。


これは、等級によって生活の余裕が大きく変わりうるということを意味します。



65歳以降は、そう単純ではない

「生涯でいくら違う」と言い切れないのは、65歳以降に老齢年金との関係が出てくるからです。


  • 2級:障害基礎年金と老齢厚生年金を併給できる

  • 3級:障害厚生年金と老齢年金は併給できず、どちらかを選ぶ

障害基礎年金2級は、加入期間の長さにかかわらず満額です。


一方、老齢基礎年金は納付した月数に応じて金額が決まります。


納付歴に空白がある人ほど、2級の意味は大きくなります。


また、障害年金は非課税ですが、老齢年金は課税対象です。


手取りで比べると、印象が変わることもあります。


どちらが有利かは、その人の加入歴や年金額によって異なります。


65歳以降の見通しは、年金事務所や社会保険労務士に個別に確認するのが確実です。



なぜ、支援者に関係があるのか

理由は3つあります。


  1. 経済的な安定は、治療やリハビリの継続に直結するからです。
    収入が不安定だと、通院やサービス利用そのものが揺らぎます。

  2. 等級認定は、障害認定基準に基づき、医学的初見・検査結果・日常生活状況・就労状況な等を総合的に判断されるからです。
    日々の関わりのなかで私たちが把握している生活の実態は、医師が正確な診断書を書くための大切な情報になります。

    等級認定は、障害認定基準に基づき、医学的所見・検査結果・日常生活状況・就労状況等を総合的に判断されます


  3. クライアント本人が制度を知らないことが多いからです。
    「自分は対象にならない」と思い込んでいる人も少なくありません。

ここで大切なのは、等級を「上げる」ことが目的ではない点です。


目指すのは、実態が正しく伝わることです。


支援者にできること、専門家に任せること

支援者にできること


  • 制度の存在を伝える

  • 本人の同意を得たうえで、生活の状況を主治医に共有する

  • 年金事務所、社労士、地域の相談窓口、医療機関のソーシャルワーカーなどにつなぐ



専門家に任せること


  • 申請書類の作成や提出の代行(社会保険労務士の業務です)

  • 受給できるかどうか、何級になるかといった個別の判断


制度の説明は「一般的な情報」にとどめ、個別の判断は専門家につなぐ。


この線引きが、クライアントを守ることにもなります。


現場で最低限確認したい3つのポイント


  1. 初診日はいつか、証明できるか:受診した医療機関の記録が大切です

  2. 初診日に加入していた年金は何か:国民年金か厚生年金かで、対象となる制度が変わります

  3. 困りごとを、本人が言葉にできているか:「できないこと」を整理しておくと、診断書や申立書の材料になります

おわり

障害年金を知ることは、クライアントの選択肢を増やすことです。


そして、それは私たち支援者の専門性の一部でもあります。


制度そのものを説明できなくてもかまいません。


「こういう制度があります。一緒に相談先を探しましょう」と言えるだけで、その人の見える景色は変わります。


金額は令和8年度のものです。年度ごとに改定されます。


また、本記事は一般的な情報であり、個別の受給可否や金額は、年金事務所や社会保険労務士にご確認ください。



私は一般社団法人脳卒中ライフアドバイザー協会でチーフパーソナルトレーナーをしております。代表の川端氏は脳卒中当事者であり社会保険労務士でもあります。


その川端氏が運営している名古屋明治社労士事務所は障害年金に特化した事務所です。


ご不安な点などありましたらお問い合わせください。



また2026年10月11日に名古屋で無料セミナーも開催します。


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