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むち打ちで痛みと頸部の可動域制限のため外出困難となった症例について
お話を進めていきます。
詳細はコチラから
前回の記事で痛みが出ている要因としたのは下記の6つでした。
①全身の過緊張(特に下肢)
②廃用による循環障害
③強い衝撃によるダメージ
④既往歴
⑤精神面
⑥生活習慣
今回は赤色の部分である⑤と⑥について書きます。
⑤精神面について
「心と身体は繋がっている」なんてのはよく聞きますよね。
でも、
実際に評価するのはどうしても目に見える関節や筋肉などの身体構造に陥りがちではないですか?
僕がそこから抜け出せたのはいろんな知識や稽古を通しての体験が大きいのですが、
知識としてご紹介できるものは、
闘争逃走反応
というものです。
動物は昔から危険が迫ると
本能的に闘うか、逃げるかという行動をとります。
突然野良ライオンがノシノシ近づいてきたら
血圧上がり、心臓バクバクし、全身の筋肉は緊張し、嫌な汗をかきますよね?
人間もなにかしらおきた問題に対して、
このような反応を起こすことが知られています。
副腎からでるアドレナリンや、骨から出るオステオカルシンなどが
その反応を起こしているという報告がありますね。
人前で話すという行為でも闘争逃走反応は起こるとされています。
さて、今回の症例さんではどんな状態だったかというと、
・もらい事故だったので加害者に腹を立てていた
・加害者の態度が更に頭にきた
・自分の身体は事故から1年経っても全然首も動かない状態でとんでもないことになった
・法的に加害者を納得行くレベルで断罪できない
・保険屋さんからの話も到底納得できない
などなど話を聞いていくとこれ以外にも盛りだくさんの状態でした。
もう闘争逃走反応が起こるには十分すぎるほどの条件だと思いませんか?
事故による衝撃が全身の緊張を亢進させていることに加えて、、
精神的な状況からも肉体が緊張しやすい状況があった。
このダブルパンチ状態が本人の治る力を妨げになっていたと思われます。
あなたはこんな状況の患者さんになんと言いますか?
僕は初対面から言いたいことを言わしてもらいました。
「気持ちはわかる。本当につらい状況ですね。」から始まり、
「でもそれだけひどい事故から生き残れて運が良かったね」
「運良く授かった残りの人生をどう使いたい?」と。
腹を立てて、痛みを抱えながら生きる人生か?
残った命に感謝して、自分の役割を果たすために生きる人生にするか?
大げさではなくこの症例さんの運命の分かれ道だと思いながら聞くようにしました。
(普通はさらっと初対面でこんな事言われたらキレる人もいると思いますw)
幸いこの症例さんの選択は前向きなものでした。
身体の症状が短い期間で大きく改善したのはこの選択が大きかったと思っています。
続いて、
⑥生活習慣についてです。
いくらよい施術やエクササイズを提供しても、それ自体の時間は短いものです。
家でマイナスな行動をしていればよくなるものも良くなりませんよね。
姿勢や行動、食習慣などを把握することもとても大切です。
この症例さんは、
首が痛いにも関わらず寝たままでテレビを見るという習慣がありました!
もう自殺行為にも等しい行為です(T_T)
ただでさえ、テレビを見るという行為が目や後頭下筋群の緊張を亢進させます。
その上、肩甲骨などの動きが制限された姿勢でテレビをみるなど・・・。
全身痛くて動けずやることがなかったからしょうが無いのかもしれませんが、
受傷前からの習慣とのことでした。
長年この習慣があるため、無理やり禁止することはしませんでした。
あまり急に強い制限をかけるとかえってストレスをかけることになるので。
ただし、
「首の痛みは出るし、治りも悪くなるよ?」
「その分長くスタジオ来ることになるけどいい?」
とだけは言っておきました。
食習慣については
毎日コーヒーを飲む他に、
糖分の多い飲料を好んでおられました。
食べ物についてはメニューを聞いていくと、
糖質に偏った食事をされていました。
タンパク質を取らないと、
トレーニングとしても筋肉が育ってくれませんし、
最悪関節が石灰化するリスクもあります。
これらをストレスのない範囲で変えてもらうように指導しました。
以上これまでに6つの要素についてお話をしてきました。
抽象的過ぎましたでしょうか?
病院でのリハビリで結果が出なかったのは、
セラピストの知識・技術が足りなかった部分もあるでしょうが、
セラピスト自身のマインドセットについても足りない部分があったのではないかと
考えています。
⑤で書いたことを言葉にしても、
セラピスト自身がどれだけの背景を持っての言葉なのかで
全然伝わり方が変わってきます。
インスタントな知識や技術ばかりが多く世に出回っていますが、
本当に大切なことはそんなことではないということを
少しでもお伝えできたなら幸いです。
なにかご質問等ありましたらお気軽にメールでお問い合わせください。
お付き合いありがとうございました!